在宅酸素療法(HOT)

酸素について
rr1.jpg普段私たちは、呼吸によって酸素を肺に取り入れ、二酸化炭素を吐き出しています。酸素はエネルギー代謝の上で非常に重要な役割を担っています。
運動しているとき、寝ているときも常にエネルギーは消費していますので、酸素は私たちが生きるうえで、非常に大切です。

酸素が少ないと起こる事
rr2.jpg日常生活の維持が難しくなり、いろいろな障害が起こります。
息切れのため、運動不足や栄養不良となり、呼吸筋や手足の筋肉がやせるため、呼吸がうまくできなくなります。
呼吸機能が低下し、酸素不足が進行すると心臓にも負担がかかり弱ってしまうことがあります。
持続的な酸素吸入によって、酸素不足による身体機能の低下を改善します。

在宅酸素療法(HOT)について
rr3.jpg在宅酸素療法とは、体の中(動脈の血液中)の酸素濃度がある一定のレベル以下に低下している方(慢性呼吸不全や慢性心不全などの患者様)が自宅や病院の外で、酸素を吸入しながら生活する治療法です。
英語でHome Oxygen Therapyというので頭文字をとって「HOT(ホット)」と呼ぶこともあります。以下「HOT」と記載します。
HOTによって、職場復帰が可能になったり、海外旅行に出かけられる例もあります。

対象とされる疾患
在宅酸素療法は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、重度の心不全、気管支喘息、そして時には呼吸不全などの疾患を持つ患者に適用されます。
これらの疾患では、肺や心臓が正常に機能せず、体内に十分な酸素を供給できなくなります。
酸素不足は、体の各組織や臓器に酸素が届かず、疲労感や息切れ、集中力の低下、心臓の負担増加などの症状を引き起こします。

治療の仕組み
在宅酸素療法は、家庭で使うことができる酸素供給装置を利用します。
酸素供給装置には、酸素 concentrator(酸素濃縮器)、酸素ボンベ、液体酸素の3種類があります。
酸素 concentrator は、周囲の空気から酸素を取り出し、高濃度の酸素を供給します。酸素ボンベや液体酸素は、予め充填された酸素を使用します。
酸素は、通常は鼻に挿入する細いチューブ(カニューレ)を通じて吸入しますが、場合によってはマスクが使用されることもあります。
治療の頻度や時間は、患者様の状態に応じて医師が指示します。


メリットと効果
在宅酸素療法の主なメリットは、呼吸が楽になること、体内の酸素レベルを正常に保つこと、そして生活の質が向上することです。
酸素を適切に補充することで、患者はより活発に日常生活を送ることができ、息切れや疲労感が軽減されます。
さらに、酸素療法は心臓の負担を減らし、心不全の進行を抑制する可能性もあります。

注意点とまとめ
在宅酸素療法を行うには、機器の正しい使用方法とメンテナンスが必要です。
酸素装置の定期的な点検や清掃、そして酸素の取り扱いには注意が必要です。(当院から案内の業者様がご対応させていただきます)
酸素は可燃性があるため、火気の近くで使用しないでください。
在宅酸素療法は、慢性呼吸器疾患や心不全を持つ患者にとって重要な治療法であり、家庭での生活の質を大いに改善する可能性があります。
医師の指示に従い、適切に酸素療法を行うことで、より快適で活動的な生活を送ることができます。

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